企業にとって最も価値ある資産が「人」であることは周知の事実です。結局のところ、企業にいる人々がチームを作り、部署を作り、ひとつないしは複数のプロジェクトを担います。IT企業には、ソフトウェアのソースコードをデザイン、構築、維持するためのチームが存在します。全ての事項を適切に軌道に乗せるためのチームにおいて、最も重要な役割の一つがチームリーダーです。
「テックリード」や「エンジニアリングマネージャー」等とも呼ばれるチームリーダーは、チームメンバーを管轄するだけでなく、彼らが担当するプロジェクトの成長性や成果物、コード品質等にも責任を持ちます。技術的な専門性が求められるため、リーダー職に就く人の多くはエンジニアです。では、成功するチームリーダーの秘訣とは何でしょうか?著者の考えを紹介します:
コミュニケーション・コミュニケーション・コミュニケーション!
成功するチームリーダーを目指す上で、コミュニケーションの重要性は何度強調しても足りません。リーダーがチームに対して期待する内容をずばり理解してもらうためには、簡潔かつ明確な情報伝達が必須です。複数の人に同じ話題を伝えても、異なる受け止め方をする可能性があります。そのためリーダーには、会話や文字資料を活用して混乱を防ぐ責任があります。
オーナーシップを体現する
チームリーダーには、コードやプロジェクト、意思決定の一つひとつに対して全責任を持つことが求められます。仮にバグが発生したら、原因を作ったメンバーを責めている場合ではありません。リーダーが自ら修正に当たるか、あるいはチームがコードを修正するまでサポートしなければなりません。リーダーがあらゆる課題を自分自身のこととして受け止め、向き合い、チームを引っ張っていく事によって、メンバーからの信頼が生まれ、追い風の中でも向かい風の中でも味方してくれる存在になるのです!
実例を示す
解決すべき問題がある時、まずはリーダー自身が例となり、正しい方法をメンバーに示すことが効果的です。チームメンバーが特定のタスクに手こずっていれば、助けが必要かどうか常に声をかけましょう。次第にメンバーそれぞれが問題解決力を身に付け、ここぞと言う時にリーダーを助けてくれる存在になります!
知識を共有する
リーダーがチームメンバーと継続的かつ効率的に知識を共有することは大変重要です。テクニカルレビューを目的としたミーティングやワークショップの実施、技術的なテーマに関する講話やプレゼンの開催を通じて実現しましょう。いずれの場においても、注意深くメンバーの声に耳を傾け、反応するようにしましょう
学び続ける
チームリーダーになったからと言って、あなた自身の学習曲線が途切れることはありません。新たなアイデアやアプローチを掘り下げる機会は常に存在します。だからこそ、居心地のいいコンフォートゾーンから抜け出し、読書や社会人クラスを通じて新しい事を学びましょう。自分自身が学ぶ一方で、チームに教えることもお忘れなく。
時間を管理する
IT業界において、納期遵守は必須事項です。そのため、リーダーは自らの時間に加えてチームの時間管理も行う必要があります。常に進捗状況を把握し、タスクの優先順位を見極め、作業の中断につながる要素を減らし、適切なミーティングを行うことで、チームが常に集中し納期を守れるようにしましょう。
常に正しい行いをする
リーダーの「正しい行い」は、チームの振る舞いを左右します。例えば、いざこざが起きた際には冷静を保ち、事前の心構えを大切に、解決のために必要な行動をとりましょう。メンバーとアクションプランを共有し、超えるべき壁や状況予想を正直に話し、一貫性のあるアプローチを行います。チームの頼りはあなたです。
最後に、私自身の経験として、これまで多くの開発者がチームリーダーの役目を避ける例を見てきました。リーダーシップやマネジメントに関与するよりも、コードに集中したいと考えたからです。しかし、チームリーダーにもコードを書く機会はありますし、チームが書いたコードをレビューし、コードデザインに関する意思決定を行い、新たな技術を模索するチャンスもあります。リーダー職の面白い側面は他にもあり、新しいソフトを構築あるいは導入する事で、チーム業務を自動化することもできます。リーダー職に就くことを検討しているあなたも、チームリーダーになればきっと刺激的な日々が待っています。その際は、成功のための7つのヒントを必ず頭に入れておいてください。